この章で理解したいこと
- 自分の能力や特性と職業に求められる資質が一致すればするほど満足度、業績、安定性(成功)が増える
- 3要素と7つのプロセスで支援
- 適材適所の考え方
- 一般職業適性検査(General Aptitude Test Battery:GATB) の開発に活用されている。
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苦手な仕事や嫌いな仕事をしても満足度や成果はあがりませんよね。パーソンズは個人の適性や能力、興味などの特性と、その職業に求められる資質やスキルが一致すればするほど満足度や成果が高まると説きました。
パーソンズって誰?
パーソンズ (フランク・パーソンズ)は、1854年11月14日にアメリカのニュージャージー州で生まれ、1908年に亡くなるまで、職業指導者として活動し、著書の『職業の選択』で特性因子理論を提唱しました。
パーソンズの特性因子理論
特性因子理論はパーソンズの代表的な理論で、人は誰でも異なる特性や能力をもっていて、その職業に求められるスキルや興味、適正がマッチすればするほど、仕事に対する満足度や安定性は増すと説明しています。
前提
- 誰でも他の人とは違う能力や特性を持っている。
- 仕事の内容や特性と自分のスキルや適正が一致すればするほど仕事の満足感や業績、安定度は増す。
- 人は、自分のスキルや特性にマッチした職業を選択する。
3段階のプロセス (自己理解、職業理解、理論的推論)
- 第一段階 自己理解/自己分析
自分自身の適性、能力、興味、目標、強みや弱み、限界について明確に理解する。 - 第二段階 職業理解/職業分析
仕事の内容や条件、報酬、求められるスキル、自分にとってのメリットやデメリット、将来性についての情報収集をする。 - 第三段階 理論的推論
上記の第一段階と第二段階を合理的に比較、推論して、自分にとってもっとも最適な職業を選択する。(マッチングを行う)
パーソンズは上記の段階を経て職業を選択すると最適な職業を選択できるとしています。
そのためには、以下の7段階のプロセスが必要としています。
7つのプロセス
- 個人資料の記述
就業のための主な理由を書き出す。 - 自己分析
カウンセラーと一緒に自己分析を行う。 - 選択と意思決定
「個人資料の記述」と「自己分析」によって職業の選択と意思決定は起こる可能性がある。 - カウンセラーの分析
クライエントの意思決定がクライアントが探求しているものと整合性がとれているかカウンセラーによって分析する。 - 職業についての概観と展望
カウンセラーの知識などを使い、カウンセラーはクライアントの職業の概観と展望を支援する。 - 推論とアドバイス
カウンセラーは論理的で明確なアドバイスを行う。 - 選択した職業への適合
カウンセラーは、クライエントが選択した仕事の適合具合と意思決定について振り返りを行うことを支援する。
これらの理論から、パーソンズの理論は適材適所(マッチング)の理論とも言われていますが、マッチングに固執しすぎているという批判もあります。
ポイント
特性因子理論は、別名としてマッチング理論やペグ理論とも言われています。
ポイント
パーソンズの理論は、様々なアセスメントツール、例えば、一般職業適性検査(General Aptitude Test Battery:GATB)に活用されています。